8月6日のこと

2021-08-06 17:11

「8月6日のこと」の絵本を読みました。

毎年、8月に「平和」について話し合いをもっています。

私は、子どもたちより先に生まれた人間の一人として、過去の過ちを学び、伝え合い、気づき合って
毎日の身近な平和へとつないでいく、そして、これから未来を生きるこどもたちには、生命を大切に
する人へと成長して欲しいと願いがあります。自分の生命も相手の生命も大切にする大人へと育って
欲しいという強い願いがあります。

保育士として健やかに育つ子どもたちに接していると、その思いを伝える責任があると感じるように
なりました。
4年前から始めた「戦争について」のお話会は、毎年この時期に4,5歳さんたちと行っています。

「8月6日のこと」
この本は、保育士でありシンガーソングライター絵本作家の中川ひろたかさんの実話が書かれた絵本です。
美しい瀬戸内海の景色、海の色、原爆投下したときのきのこ雲、そして、人々の死、長谷川義史さんの絵の
力強さに、何回読んでも胸が熱くなります。

 

読み始めるととても静かな時間が流れていきます。絵本の主人公になって物語を感じているようでした。
読むのではなくて、心で感じていました。

一人一人がそれぞれに絵本から感じがことが、平和へとつながる大切な答えだと思いました。

 

大人の考えを押しつけるのではなく、絵本からのメッセージを受けた子どもたちは、とてもストレートに
知っている情報を話してくれました。
「戦争は人が死ぬんだよ。」「原子爆弾は2個落とされんだよ」「戦争は嫌だ」と。

そして、私たちの生活での平和って?「クラスの中で戦争はないけど嫌なことは無いのかな?」と尋ねると…

「作ったブロックをこわされたら嫌だ」「友だちが話を聞いてくれないと嫌だ」
「ぶつかって痛いときが嫌だった」などなど

そして大人にも聞くと

「もう時間だよと言っても聞いてくれないと・・・」「あれ?あれ?」

その後に「じゃあ 困ったことは、どうしていこうか?」「みんなはどうしたらいいと思う?」と聞くと

「ちゃんと最後まで話を聞く」「嫌なことはしない」「自分のことも友だちのことも大切にする。」
大人はうなずくだけでしたが、あふれるくらいポジティブな意見がでました。

「今日から出来るときはそうしようね」とその後、皆でわらべうたを楽しみました。(4歳児さん)

「あなたたちが大人になったときは、きっと戦争のない平和な世界にしたいね」と

わらべうたをしながら、心の中で思いました。

 

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おひさま組感想
園長から戦争について話があり、クラスでもそこでどんなことを思ったか、それを「友達との
ケンカ」に置き換えた時に、どうすれば「平和」を自分たちで作っていけるのか、友達の発言
私たち大人の意見を共有し合ってみました。

ほし組感想
園長が戦争は国同士の「ケンカ」なのだよ、と話をしましたが、なんだかピンとこない様子。
が原爆投下された時の写真、焼け野原になった時の写真、そして戦争についての絵本に描かれて
いた真っ黒に焼けたあかちゃんの絵…を見せてもらうと子どもたちの表情は真剣。みんな言葉を
失っていました。誰かの「こわい・・・」の一言で、子どもたちの胸にも戦争の怖さを
感じられたように思います。このまま平和でありますように。