3/22 カレーパーティー(5歳児)

2019-03-22 16:16
環境教育へ
その入口とこれから・・・ 21世紀に活躍できる人へ
年長児37名、保護者15名 赤羽自然観察公園の野外炉

年長児の最後の活動に、食育の総仕上げとして野外カレーパーティーをしました。
(昨年までは保育室内で行っていた活動です)
活動はこどもたちとの話し合いから決めていきました。
どんなカレーパーティーにしたいのか、その目標を出し合って
「自分達でカレーパーティーを成功させる」
「責任を持つ日にする」と大人の願いも込めて、活動が始まりました。

本番での計画も2クラスみんなで決めたね!どんな材料にするのかを話し合い、
材料の買出し、下見、そしてその日の手順の確認。
その中でキャンプの達人のファイヤー先生(保護者)から、事前に2回
「火について」学びました。
生活環境が変わり、火を見たこともないこどもたちもいます。
「火」って何?「材料」は何が必要?「安全」にするためには?
ファイヤー先生は、こどもたちとさんざんサッカーやおにごっこをしてくれた後に
みんなの前に「火」の材料を置いて話してくれました。
紙、厚さ3mmの薄い板、厚さ7mmの板、広葉樹の薪、針葉樹の薪、
一つ一つに触って、持ってみて、匂いを嗅いで、その違いを感じました。
「火」はこの材料を上手に組んで起こしていくよ。
風も必要だよ。
カレーができるのはどの位かなー?
「30分位。」
そうだね、じゃあその間ずっと燃えていないといけないね。
火起こしの手順、松ぼっくりやどんぐりも資源になること、いろんなことが学べました。

 
いよいよ本番。
始まりの会、ボランティアの保護者の皆さんもみんな今日は一人の大人として
楽しみに参加して下さいました。
ニックネームで呼び合います。大人もやる気満々です。
全員で今日のルールを決めて、タイムスケジュールを確認し合います。
これからはグループに分かれてまず火起こしをします。
 
マッチを初めてつけます。大人たちが丁寧に教えてくれました。
シュッ!マッチ棒の先に火がつくと歓声があがりました。
シュッとこする体験はドキドキしたけど、全員つけたあとの顔は誇らしげでした。
 
そして火起こしの材料を、自分たちで選びます。
「どれがいい?」
  
ファイヤー先生は各グループを回って、こうしたらいいよ!と声をかけてくれます。
火をこんなに身近に感じることは、今までになかったでしょう。
煙のにおいを嗅いで、火が揺れ動く様子をじっと見ている子もいました。
 
火起こしの次はカレーです。
大鍋にクレンザーを塗ります。こうすることで、鍋が真っ黒になるのを防ぐのです。
こどもたちが全て行います。
 
それから調理です。
前日に、自分たちでスーパーに野菜を買いに行きました。
牛乳パックのまな板で、野菜の皮むきをして、包丁で切っていきます。
普段から食育でピーラーと包丁を使っているので、みんな上手です!
 
途中で園の小さいお友だちが見学にやってきてくれました。
「年長さんたち、何やってるの?」
0歳児さんももうしっかり歩けます。「何だろうね?」「やってみたいね」
 
お鍋にお肉と野菜を入れて炒めていきます。
こどもたちも順番にお鍋の中身を混ぜます。
いい匂いがしてきました。
 
お水を入れて野菜が煮えたらカレーのルーを投入です。
おいしくなあれ!おいしくなあれ!
グループごとに自分たちのお鍋でカレーを作りました。
入れている具材も、みんなで決めた具材です。
大根が入っているカレーもあれば、大豆の水煮を入れたグループもありました。
いい匂い!早く食べたいね!

 
いただきまーす!
自分たちで作ったカレーを野外で食べると、おいしさ100倍です。
みんなあっという間に食べて「おかわり!」。
他のグループのカレーも食べてそれぞれにおいしかったね。
なんと、3杯食べた子もいました。
1班から5班まで最後、大なべをひっくり返して「完食でーす」と
お玉でカンカン。この音がとても嬉しく聞こえました。
 
「みんな責任を持つ日」さあ片付けです。
大鍋をこどもたちが洗います。少し汚れていると園長から「アウト!」の声。
みんな真剣に洗ってくれました。
 
そして、お腹はもういっぱいになったけど、片付けしている間に
おやつも食べられそう・・・。焼きマシュマロのおやつを食べました。

 
こんがり焼いて、クラッカーで挟むと中がとろ~り。
本当においしいね!
大人もこどもも、みんなマシュマロに夢中です(笑)
 
この後、使ったところをみんなで片付け。掃除もしました。
最後まで責任を持つ1日の目標達成です。
 
楽しいカレーパーティも無事に楽しく終えることができました。
ボランティアの皆様にみんなでお礼を伝えました。参加したボランティアの皆様それぞれに
感想を聞きました。
「大人も火起こしが楽しかった」「みんなが良く働いて驚いた」「家での姿と違った」こんな
感想をいただきました。
 
〔園長より〕
カレーを作るまでの過程での1つ1つの作業を、こどもたちが自主的に取り組んでいた姿は、
見ていて嬉しくなりました。
自分達で考えグループで協力すること。
枝や薪を選び組み木をする、安全な活動をすること、園の水道は自動で温水が出るけど
、ここの水道は冷たいこと、自分たちで最後まで責任を持つこと。
おいしいカレーを作ることも、全部生きた学びになりました。
そしてファイヤー先生が薪の量を調節して灰のゴミが少ないのにもびっくりでした。
ゴミがどうしたら少なくできるのか、もっと学びたいと思いました。
そう、学びは「生活」にあります。便利になって考えることも少なく、ただ簡単にスイッチで
エネルギーを使っていますが「火」の学びをしたことで、大切なエネルギーをどう使うのか、
よい気づきになりました。生活を営む術ですね。
保護者の皆さんと働くことは面白い、資源を大切にすることなど一緒に学べたことは大きな収穫でした。
環境教育の入口が見えたと思いました。
乳幼児期の経験は、こどもたちの意識の持ち方や物事の見方に影響していくと思います。
その大切な時期だからこそ身近な生活を楽しみ、面白がって、生身の大人たちの生きる術や知恵を学び、
大人と共に美しい自然=地球を愛する気持ちを育てたいと思いました。
環境教育の入口をどう広げていくのか・・・大人の体験も豊かにしていかなければいけませんね。